put one's foot in one's mouth
無難にイディオムです。アメリカで使われる表現みたいですね。恐らくイギリスでは "put one's foot in it." 意味は同じです。
今日の会話は Scrubs からです。Elliot が一目ぼれした入院患者(Sean)と話をしているシーンです。Sean はランニングマシーン(トレッドミル)の上で走っています。
Elliot: How are you feeling?
Sean: I'm not tired.
Elliot: Stress tests are supposed to be hard. It helps if you visualize running toward something, like your girlfriend.
Sean: I don't have a girlfriend.
Elliot: How could you possibly be single?
Sean: I don't know. I'm kind of anal and neurotic.
Elliot: My God. Me too.
Sean: Really?
Elliot: Please! I like to keep my pens in order from least to most ink.
Sean: That is hot. I guess the truth is that I don't go out a lot, you know? I always seem to put my foot in my mouth.
Elliot: I'd let you put your foot in my mouth.
Sean: What?
Elliot: I said I'd let you put your foot in my mouth.
Sean: That's weird.
Elliot: I know.
だいぶ長いですね。ちょっと頑張りましょう。
エリオット:調子はどう?
ショーン:疲れてないよ。
エリオット:ストレステストはきつくないと意味ないわよ。何かに向かってるイメージで走るといいんわ。彼女とか。
ショーン:彼女はいないよ。
エリオット:あなたに彼女がいない?どうして?
ショーン:わからない。多分、神経質で細かいことを気にしすぎるんだ。
エリオット:嘘でしょ?私もよ。
ショーン:ホントに?
エリオット:ホントも何も、今だってインクが残ってる量でペンを並べて持ってるんだから。
ショーン:それいいね。あー、本当のこと言うとあまり出かけないんだ。いつも滅茶苦茶な失敗をするし。
エリオット:(つぶやくように)滅茶苦茶にして欲しい
ショーン:何?
エリオット:滅茶苦茶にして欲しいって言ったの。
ショーン:なんか変だよ。
エリオット:えぇ、分ってる。
いやあ、これも訳しようのないやり取りですね。今日のイディオムの部分ですが。"put one's foot in one's mouth" はバツが悪い失敗や失言をしてしまうと言う意味の表現です。 Friends のチャンドラーがよくやるような。不謹慎な冗談を言って場を引かせてしまう、みたいな。
Chandler always put his foot in his mouth.
(チャンドラーはいつも寒いことを言う)
チャンドラーは置いておきましょう。
直訳すると全く意味の通らないイディオムなのでこれで言葉遊びをされると訳しようがないですよね。上の訳は少しニュアンスの異なる言葉を使って無理やりつなぎました。
ランニングマシーンの上でヘロヘロなショーンと、ショーンにメロメロなエリオットの会話ですのでグダグダなんですが、"put one's foot in one's mouth" のone's には当然同じ人物・人称が入ります。ところがエリオットは "put your foot in my mouth" と意味不明なことを言っているんですね。「あなたのことを食べてしまいたい」ってなところでしょうか。
イディオムの語源は "foot-and-mouth disease"という病気にあるそうです。
調べてみてください。(←不親切)
ところで上の会話、触れておかなければいけないところがあります。割愛してもよかったのですが敢えて載せました。
anal and neurotic
"neurotic" はいいとして "anal" です。
英和辞書を引くと、ほぼ間違いなく「肛門の」と出ます。で、他に意味はなし。何かの言い間違いか?これこそ寒い失言。"put his foot in his mouth" じゃないか!
いいえ、違うんです。この "anal" は "neurotic" とほぼ同義。神経質という意味なんです。
以下、wikipediaからの引用です。
The term anal retentive (also anally retentive), commonly abbreviated to anal,[1] is used to describe a person who pays such attention to detail that it becomes an obsession and may be an annoyance to others, potentially to the detriment of the anal-retentive person.
イギリス人に聞いても、別に変な言葉ではないとのことでした。とんでもない同音異義語です。しかも同じスペル。英和辞典にも載ってないんですよ。
使わない方が無難です。ただ、こういう言葉がある、ということを覚えておくのはいいと思います。