smack of desperation
今日は Seinfeld (Season 3 Episode 10) から短めの会話を紹介します。
舞台は薬局です。そういえば初期の Seinfeld では薬局のシーンが結構出てきました。言われてみれば。(←誰も言ってない)
なんなんでしょう。サンドイッチマンのコントとかでもありそうな。
で、この場面。どうやら George がノミに食われたかなんかで Jerry と二人で薬を探しています。
Jerry: How did you get fleas?
George: My cousin's imbecile dog was outside and they got in his carpet.
Jerry: Maybe you could get yourself a little bow tie flea collar.
George: That's real funny. So are you coming to the party?
Jerry: I'd go, but Long lsland, it's so far out. It smacks of desperation. Everyone's gonna be saying: "You came all the way out from Manhattan for this?"
Jerry: どうやってノミなんかもらったんだよ。
George: うちのいとこの馬鹿犬が外に出てたんだ。そのあと絨毯にでもついたんだろ。
Jerry: 自分の首に蝶ネクタイ付きのノミよけ首輪でも嵌めたらどうだ。
George: そいつはマジで面白いな。で、パーティーには来るのかよ。
Jerry: 行ってもいいんだが、ロングアイランドとか遠すぎだろ。なんか必死な感じがするし。あいつら、”お前わざわざこのためにマンハッタンから来たのか?”って言うに決まってる。
今日は3つの表現をハイライトしてみました。
その前に、単語を一つ。
imbecile【形】 低能な, 愚鈍な, 大ばかな.
George の言葉遣いは面白いです。意図的に少し難しめの言葉を使ったりするところなんか。それがインテリな感じよりもむしろ少し面白い感じになってて。日本語でもわざわざ「愚鈍」という言葉を使うと文脈によってはそれ自体が少し冗談ぽく聞こえたりしませんかね?
1. real funny
シリーズ”かっこつけ英語”です。
いいですね。Seinfeld を見始めたときに気づいたことの一つだったんです。この会話では George が使ってますが、Jerry もよく言うんですよね、これ。一生懸命マネをした記憶があります。
変ですよね?何が変かわかりますでしょうか?
real は形容詞なのでfunny (形容詞) を修飾することはできないはずなんです。文法的には
That's really funny.
が正解なんです。が、使うんですよ。会話の中では。ネイティブの人たち。例えば、
The restaurant was fantastic. The food was real good.
I saw the hurricane coming toward our town. It was real scary.
辞書を引いたら出てた・・・
real 【副】 《米口語》 本当に
辞書、おそるべし。
ちなみにここでの George もそうですが、Jerry が "real funny" と言うときは皮肉が多いです。
口語表現なので ライティングやフォーマルな場面では使わないようにしましょう。
2. smack of desperation
これもいいです。今日の表題表現です。
別にイディオムではないですね。イディオムっぽく聞こえますが。
smack 【動】【自】
Ⅰ 〔…の〕味がある, 香りがする 〔of〕 Ⅱ 〔…の〕気味がある 〔of〕
もともとは I の意味でしょう。それが転じて II になった、というような。
「~感じ」がする、とか 「~っぽい」とか。
後ろには抽象名詞が来ることが多いでしょうね。
I really don't like the idea. It smacks of hypocrisy.
その考えはホントに好きじゃない。偽善っぽい。
People are still talking about it. Smacking of desperation.
みんなまだその事を話してる。なんか必死だな。
好きですね。これもよくマネしてました。
3. all the way
これは知ってる人も多いかもしれません。辞書を引くと、「わざわざ、はるばる」と出てきます。
日本語で「わざわざ」ってよく使いませんか?私はよく使うんですけど。
”all the way” を ”わざわざ” と訳すのは、まぁまず大丈夫なんですが、逆は注意が必要です。
なんでわざわざそんなこと言ったんだよ?
Why did you say that all the way.
ブー!!
ブーですよ。意味不明です。ダメ。絶対。ダメ。
all the way 、素直に解釈しましょう。way はここでは普通に”道のり”という意味ですよね。ですからこれ、長距離移動や道中における困難を強調する言葉なんです。
I lost my wallet so I needed to walk to my house all the long way from Shinjuku last night.
She injured her leg so I had to give her a piggyback all the way down in the rain.
ちなみに道のりに関係のない ”わざわざ”(上にあげた誤用もその一つ) にはいろいろな言い回しがあります。
調べてみましょう! (逃げ)