off one's meds
前回紹介した brother's and sisters の会話からです。
ハイライトした表現の残りの2つについて。
Sara: Holly's feeling a little...Walker-phobic at the moment.
Ryan: Look, I... I don't want to step on anybody's toes.
Sara: Let me talk to her, see if I can get her to relax a little bit. Maybe get her back on her meds. What's the worst she can do? Say no, right?
Ryan: Well, I'll keep my fingers crossed.
Sara: Holly がここんとこ・・・Walker恐怖症なのよね。
Ryan: あの、俺、誰にも迷惑はかけたくないんだけど。
Sara: 彼女と話をさせて。少し落ち着かせられるかも。正気に戻らせるっていうか。・・・大体、最悪彼女になにができるって言うのよ?せいぜい「ダメ」っていうだけでしょ?
Ryan: ・・・上手くいくことを祈るよ。
3. off (one's) meds.
meds というのは薬のことです。文字通りとれば off med's 薬を摂らない、薬を切らす、という意味ですが、これが「イカれている」「狂っている」という意味にもなるんですね。使い方によっては非常に差別的で不快な表現になるかもしれません。
通常は off meds で使われるのですが、Sara は会話の中で "get her back on her meds" と "on meds" で使っています。ここは実際にそのシーンを見て頂かないとわからないのですが、"get her relax" と言った後にわざわざ "get her back on her meds" と同じような内容のことを言い直してるんです。で、言われた Ryan はクスっと笑ってます。
この辺のニュアンスは面白いですね。off meds でいかれている、頭がおかしい、ということは on meds はその反対、つまり正常である、ということになります。
もう少し言えば、"get her back on her meds" (正気に戻す)という言い方をしているということは裏を返すと 「(今は)頭がおかしい」と言っているわけですよ。
多分その辺の言い回しをユーモアを交えて使ってるんだろうと思います。
あるいは単純に off meds というイディオムが少しスラングっぽいだけかもしれませんが。
4. keep one's fingers crossed
これは知っている人も多いでしょうか。ただ、よく知られているのは "cross one's fingers" かもしれません。手の中指を人差し指に絡ませることで、幸運、というと少し大げさかもしれませんが、ラッキーを願う時のしぐさです。
で、Ryan君 は "I will keep crossing my fingers" ではなく "I will keep my fingers crossed" ですよ。
これもちょっと洒落臭くていいですね。私、こういうの好きです。わざわざ第5文型を使った形。何なんだよ、と。
折に触れてこのお題についても書こうと思ってたんですが、第4文型と第5文型って日本人にとっては非常に厄介ですよね。たった一つ文の構成要素が増えただけで、一気にわかりにくくなるんです。なりませんか?喋るときも聞くときも遅れてしまうんです。
当教室で使ってる教材の中で "get something done" という言い方を扱っています。"finish something" でいいのにこんな言い方がある、と。
"I have to get it done by tomorrow" = "I have to finish it by tomorrow" (明日までに終わらせなきゃいけない)
後者も全く問題ないんです。もちろん。語数も少ないし。けど前者のほうがネイティブっぽく聞こえるんです。私には、ですけど。
"Are you done with the interview? Just keep your fingers crossed."
シャラクサイです。