Can I use the ... ? Can I use a ...?
禁断のトピックです。
A なのか THE なのか。
無理やり訳すことはできますが(「とある」とか「その」とか)、冠詞は日本語にはない概念です。
それでいて英語(あるいはその他のラテン語系語でも)において極めて基本的な要素でもあります。恐らく。
この「A」と「THE」については、書こうと思えば本が一冊書けるでしょう。
もちろんそんな本を読みたいと思う人はあまりいないと思います。
かといって、簡単に説明されると、大概は抽象的過ぎてかえってわかりにくかったり。
まぁ、でも、ここもたかだかブログなので、「簡単な説明」で話をしたいと思います。
There is a cat. (猫がいる)
There is the cat. (猫がいる)
どちらが正しいでしょうか。
どちらも正しいんです。
正確に言うとどちらが正しい、どちらが間違っているということではなく、話し手、あるいは書き手がどうか、ということなんです。
theを使うとすると、この文章からは、この話し手が猫のことを知っている、あるいはこの猫がこの話し手にとって特別、まではいかないまでもその他大勢の猫とは何かが違う、ということが仄めかされます。
aを使うと、この文章からは、話し手と猫の間には何の関係もない、あるいは関係はあるかもしれないが少なくとも話し手がそのことを全く気に留めていない、というニュアンスになります。
説明が全然簡単じゃないなぁ・・・。
次の例はどうでしょう。
Where is the station?
Where is a station?
これは先ほどの例とは少し異なります。ほとんどの場面で、前者を正解、と言っていいでしょう。
"where is ...?" つまり「~はどこにありますか?」と聞いている時点でその存在を前提としている、それが駅であろうがトイレであろうが動物園だろうが、その存在を頭の中にイメージしてるんですね。
立川にいて「駅はどこですか?」と聞いた場合、普通は立川駅を指すでしょう。だから "a" ではなく"the" なんですね。デパートで「トイレはどこですか?」と聞けば、「デパートにあるであろうトイレ」なわけです。普通は。だから "a" ではなく"the" なんですね。
Where is a station?
Where is a bathroom?(米国式)
Where is a toilet? (英国式)
意味は汲んでもらえるでしょうが、不自然なんです。
これはどうでしょう。
Is there a elevator?
Is there the elevator?
うーん。通常は前者が多いでしょう。エレベーターがあるかどうか自体わからないんです。それを聞いているんです。単にエレベーターがあるかどうかを聞くのであれば "the" を使うのはおそらく逆に不自然でしょう。ですが後者もないわけではないですよね。話し手がある特定のエレベーターをイメージしながら質問していれば"the"もあるんです。
そろそろやめにしましょう。筆者的にまとめると、
話し手がある特定のものをイメージして話をしている場合は"THE"
話し手がある特定のものをイメージせずに話をしている場合は"A"
結局「イメージ」という抽象的な表現に帰着してしまいました。
多くの場合はどちらが正しい、ということではなく、話し手(書き手)による、ということになります。
次で最後にしましょう。クイズ形式にしてみます。
person A: Do you have any plans today?
person B: Ah, I'm going to _ grocery store.
Aさん:今日なんか予定あり?
Bさん:えーと、スーパーまで買い物に。
これはどうでしょうか? "grocery store"の前に入るのは"A"ですか?"THE"ですか?
よく説明されるパターンに「既に会話に出ていれば "THE" です」というのがあります。この場合は該当しませんね。AさんもBさんも知っている店であれば "THE"でしょうが、ここではAさんはその店を知らないとしましょう。
正解は "A"
ではありません。"THE" です。("A" が絶対にないか、と聞かれるとつらいところですが)
person B: Ah, I'm going to the grocery store.
先ほど述べたように、話し手(ここではBさん)がどうイメージしているか、ということなんです。大抵の場合、スーパーで買い物をする、というといつもの店が多いと思うんですよね。しかも今日の予定と聞かれているところで「スーパーで買い物」と答えてるわけですから、恐らくBさんの頭の中にはいく店がイメージされてると思われます。だから恐らく "the" を使うのが自然なんです。
ここでBさんは "A" を使うことももちろんできます。ただその時のニュアンスとして「どこの店かはわからないけど兎に角スーパーに行く」という感じになりますね。聞いてる方が、少し不自然な印象を受けると思います。
Person A: "A" grocery store? You still don't know the place?
("A"ってなんだよ?どこの店か分んねぇのか?)
なんて聞かれるかもしれません。
いやぁ、難しいですね。